顧客志向に込められた意味をご存知でしょうか。
多くの企業が顧客第一主義を掲げる中、実際に実践するのは非常に難しい現状があります。
なぜ、上手くできないのか。顧客志向の意味の真実とは?
これから先、どの様にして行けば良いのかをお伝えします。
今回の話は、
老舗企業を始めとした2000社以上と深い関わりを持ってきた、
ある経営コンサルタントから学んだ話になります。
お客様はお金ではない
私たちにとって、顧客、お客様とは何でしょうか。
顧客の財布からお金を奪うとか、
顧客の時間の奪い合い、などと言われる事があります。
確かに、スマホの台頭により、
お客様が持つものに対して、時間的なシェアの争いになった、
これまでの本なら本、音楽なら音楽と、
一定のジャンルの競争ではなくなったと最近は言われます。
私は更に最先端があると考えていて、
顧客 = 世界観を共有するパートナー(仲間)
だと考えています。
企業が広めたいと考えているビジョン、
世界観を共に実践していくパートナーです。
例えば、私の好きなBMWであれば、
クルマの単なる移動手段を楽しい時間に変えて、
より家族や友人との楽しみの時間を増やす、という世界観です。
(元々はもっと抽象的ですが、私の価値観に合わせるとこのようになります)
B to B(企業と企業のやり取り)であれば、
この理念をエンドユーザーに伝えるパートナーですし、
B to C(企業とエンドユーザー)であれば、
実際に体感して、更に世界観の高みを目指す仲間となります。
顧客とのやり取りを続けて、トライアンドエラーの情報の循環を行い、
世界観の達成に向けて共に歩むのです。
お客様は神様ではない
いわゆる、お客様は神様という視点ではありません。
その関係性は単なるお金を払う、受け取る、
というだけで、どちらが上、下は関係ありません。
共感してくれた、お客様の世界観(目的)の体現の為に、
お手伝いさせてもらう感覚です。
このお手伝いは、顕在的なニーズに応えるのではなく、
根本の潜在的なウォンツに応えます。
目先のお客様の欲に迎合し、言いなりになる必要はありません。
お客様が心の底で願っている事を見つけ出し、
こちらから提案し、想定以上の満足度を得ていただくのです。
近江商人の三方よし
近江商人の三方よしという言葉があります。
自分よし、相手よし、世間よしの考え方です。
自社とお客様(相手)の両方がWIN-WINだけではなく、
自社とお客様の系の外(世間)もWINとなることを考えるという思想です。
ここで重要なのは、
この三方がメリットとなる妥協点を見つけるのではなく、
世間(世界)が良くなるように相手(お客様)を仲間に引き入れる、ということです。
直接お客様とやりとりのない部署においても同じです。
自分がサービスをする対象の人を、相手(お客様)とみなして、
心を尽くしたサービスを行います。
相手の部署の人が満足してくれたら、
その人も次に相手となる人にきっと、良いことをしてくれる。
そうやって気持ちの連鎖が起これば、
最終的に世間(実際のお客様)まで繋がると考えます。
この様に考えると、
例え平社員のお茶汲み係だったとしても、
最終的にお客様に影響を及ぼすことだってあり得るのです。
自分の損得は置いておいて、相手からの反応を得ようと躍起になるのではなく、
まずは自分から相手に与えて、循環を起こし、
少しだけ感謝を頂く形が理想です。
感謝ポイントという概念
感謝を頂き過ぎなければ(無理やりもらわなければ)、
相手の心は満たされたままなので、他の人にこの感謝を分け与えることができます。
この感謝を感謝ポイントと私は呼んだりもします。
無理に感謝ポイントを昇進や評価、お金に変換するのではなく、
あえて取っておくことで、いわゆる人徳として保存しておくことができます。
感謝ポイントは、
お金、昇進、アイディア、出会い、健康などの上位概念です。
世の中の形あるものに変えずに【無形の資産】として、
保存しておく事で、いざという時に使うことができます。
今回は、顧客志向の意味について考えてみました。
もちろん実践は難しい事です。
しかし、例え言わなかったとしても、こうした価値観の下で行動する事で、
相手にはいつかきっと伝わるのではないか、私はその様に考えます。
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